「マイナンバーカード」を持ってない方のe-Taxで確定申告! 

e-Taxの利用率をご存じでしょうか。
国税庁の昨年10月の発表によりますと、令和2年度所得税申告のオンライン(e-Tax)利用率は55%(=オンライン利用件数/申告件数)とのことです。
推移を見てみると年平均5%ずつ利用率が上がってきている様子です。着実に利用率が上がってきてはいるものの、案外、低いと感じたのではないでしょうか。

一度、e-Taxで電子申告してみると、紙で提出する場合に比べて確実に手間が減るので、もう紙には戻れないというのが実感です。国もデジタル化や効率化を進めたいため、様々な施策を通じてe-Taxの利便性向上を図っています。

しかし、e-Taxで申告するには、事前に準備が必要となります。青色申告者は10万円分の控除額が上乗せされるなど、なにかとメリットのあるe-Taxで申告したいという方に向けて、e-Taxを改めて紹介致します。

1.e-Taxとは

国税に関する申告・納税・届出を、インターネットを通じて行うことが出来る国税庁の電子申告システムです。インターネット上で完結します。
24時間いつでも提出でき、添付書類の省略があり、税務署への書類送付作業なし、還付金が早いなど様々なメリットがあります。

2.「マイナンバーカード方式」

e-Taxを利用するには、利用者識別番号(16桁の番号)が必要です。そして、その取得方法として、大きく分けると,「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」があります。
まず、マイナンバーカード方式を利用するには、その名の通り、マイナンバーカードを取得しなければなりません。

総務省のマイナンバーカード交付状況によると、令和4年2月1日現在、全国の人口に対する交付枚数率は41.8%とのことですので、あまり取得が進んでいない状況といえるかもしれません。 自治体にもよりますが、申請してから交付まで1ヶ月はかかるという点と、どうしても面倒という点が交付の進んでいない理由かもしれません。

やっとマイナンバーカードを取得できたら、次は、ICカードリーダライタを準備するか、又は、マイナンバーカード読取対応のスマートフォンが必要となります。
ここまで準備が進めば、あとは確定申告書等作成コーナーにて画面の指示にしたがい入力していくことで、念願のe-Taxで確定申告をすることが出来ます。

3.「ID・パスワード方式」

「マイナンバーカード」を持っていない人がe-Taxで確定申告をする方法として、「ID・パスワード方式」があります。
税務署の営業時間中に、運転免許証などの本人確認書類を持参し、本人確認を行った後、「 ID・パスワード方式」の届出を行い、発行してもらうという方法です。
時間さえ取ることが出来れば、即日で発行してもらえます。
ID・パスワード方式は、マイナンバーカードとICカードリーダライタが無くても、確定申告が出来ることになります。

ただし、マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応であることと、確定申告書等作成コーナーでのみ利用できるということに注意が必要です。
また、個人のe-Taxメッセージボックスを見るには、原則としてマイナンバーカード等の電子証明書が必要になります。

さらに、事業所得のある個人事業主の方などで市販の会計ソフトをお使いの方は、「ID・パスワード方式」によると電子証明書による認証がとれないため、そのまま連携して電子申告するということはできません。

したがって、会計ソフトで作成したデータを見ながら、確定申告書等作成コーナーでデータを転記する必要があります。

4.まとめ

ここまで、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式を見てきました。どちらも、前もってある程度準備する時間が必要です。

最後に、e-Taxで確定申告したいが、マイナンバーカードを取得できない、税務署に行く時間もないという方には、税理士に依頼するという方法があります。

税理士は、納税者本人の代理で利用者識別番号を取得することができます。
そのまま税理士が代理で申告を行う場合、納税者本人の電子証明書は不要のままです。

e-Taxについてここまで紹介してきましたが、何はともあれ、期限内に申告することが一番大切です。
e-Taxについて、困ったことや、お悩みごとがあれば、税務署または税理士にご相談ください。

この記事を書いた人

mtbcpa

東京都文京区の税理士・公認会計士です。
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