マイホームを売ったときの特例(3,000万円の特別控除)

概要

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。

国税庁タックスアンサー No.3302 マイホームを売ったときの特例

この3,000万円を受けるには、確定申告書に『譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]』を添付しないといけないのですが、結論として、確定申告書作成コーナーで作成すべしです。

手許で確認できる会計ソフトや税務ソフトでは、誤った計算結果になってしまう可能性が高いと個人的に思いました。

試行錯誤

最初は、正直、マイホーム譲渡で3,000万円控除の結果になればいいやと軽い気持ちで、「所得税の達人」を使って、内訳書を作成し始めたのですが、計算結果をみると、あれ、基礎控除が空欄になるという疑問にぶち当たりました。

よくよく見ると、合計所得が2,400万を超えている場合は、基礎控除ゼロ。 国税庁タックスアンサー No.1199 基礎控除

これは、「所得税の達人」のおかげで気づきました。

ただ基礎控除ゼロは、想定外なので、譲渡所得の計算を見直しに入ります。

中古マイホームの取得と売却なので、購入時の取得価格に消費税は含まれておらず、取得価格の土地・建物の按分が重要になってきます。基本的な考え方としては、土地按分金額が大きい方が、減価償却計算額が少なくなるので取得費が大きくなり、譲渡所得計算に有利に働きます。

どうやら、土地建物の按分がわからない場合は、建物の標準的な建築価額による建物の取得価額の計算表によって建物の額を決定した方が、建物按分額が少なくなりそうです。

会計税務ソフト

この点、「所得税の達人」だと、、計算シートみたいなものが見つからず、別途エクセルなどで計算が必要?という状態になりました。

freeeはどうだろう?マネーフォワードはどうだろう?ということでそれぞれ確認してみましたが、正直、不動産の譲渡所得の計算に関しては難しいと感じました。

国税庁の確定申告書等作成コーナー

基本に戻って、国税庁の確定申告書等作成コーナーを見てみると、流れに沿って金額を算定できるようです。建物の標準的な建築金額も年数を入力することで、自動で算出してくれます。

逆にいうと、不動産の譲渡所得の計算は、金額が大きくなりがちで、計算過程も多くなるので、個人的には、国税庁の確定申告書等作成コーナーを経ずに算定するのは間違ってしまう可能性が高いと思いました。

国税庁 確定申告書等作成コーナー

比較(個人的な結論)

以下、個人の感想ですが、

freee → ✖ 入力箇所までたどりつけず。

マネーフォワード → ✖ 計算結果のみ入力。

所得税の達人 → △ 大方、計算できる。

確定申告書等作成コーナー → 〇 分かりやすい・間違いない。

この記事を書いた人

mtbcpa

東京都文京区の税理士・公認会計士です。
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