特別試験研究費の額に係る税額控除制度(オープンイノベーション型)とは?

制度の概要

「特別試験研究費の額に係る税額控除制度」は、各事業年度において、特別試験研究費の額(その事業年度において「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」、「中小企業技術基盤強化税制」の適用を受けた特別試験研究費の額を除きます。)がある場合に、その特別試験研究費の額の一定割合の金額をその事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

適用対象法人

この制度の適用対象法人は、青色申告法人(人格のない社団等を含みます。)です。

適用対象年度

この制度の適用対象年度は、次に掲げる事業年度以外の事業年度です。

(1) 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度

(2) 清算中の各事業年度

特別試験研究費の額等

この制度の対象となる特別試験研究費の額とは、試験研究費の額のうち国の試験研究機関、大学その他の者と共同して行う試験研究、国の試験研究機関、大学その他の者に委託する試験研究、中小企業者からその有する知的財産権の設定又は許諾を受けて行う試験研究、その用途に係る対象者が少数である医薬品に関する試験研究などに係る試験研究費の額をいいます。

特別研究税額控除限度額

法人のその事業年度の調整前法人税額から、次の(1)から(3)までに掲げる金額の合計額(以下「特別研究税額控除限度額」といいます。)を控除します。

(1) 特別試験研究費の額のうち国の試験研究機関、大学その他これらに準ずる者(以下「特別試験研究機関等」といいます。)との共同研究又は特別試験研究機関等への委託研究に係る一定の試験研究費の額の30%に相当する金額

(2) 次の一定の試験研究費の額の25%に相当する金額

 イ 特別試験研究費の額のうち研究開発型ベンチャー企業(注)との共同研究又は研究開発型ベンチャー企業への委託研究に係る一定の試験研究費の額
 (注)  研究開発型ベンチャー企業とは、産業競争力強化法に規定する新事業開拓事業者のうちその発行する株式の全部又は一部が同法に規定する認定特定新事業開拓投資事業組合の組合財産であるものその他これに準ずるものをいいます。
 ロ 特別試験研究費の額のうち国立大学、大学共同利用機関、公立大学及び国立研究開発法人の外部化法人との共同研究又はこれらの法人の外部化法人への委託研究に係る一定の試験研究費の額
 (注) 令和3年4月1日前に支出した試験研究費の額については、上記(2)ロの金額は上記(2)の一定の試験研究費の額には含まれません。

(3) 特別試験研究費の額のうち上記(1)及び(2)の一定の試験研究費の額以外の金額の20%に相当する金額
この場合において、特別研究税額控除限度額が、法人のその事業年度の調整前法人税額の10%に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その10%に相当する金額が限度となります。

 税額控除上限額 = 調整前法人税額 × 10%

その他注意事項

この制度の適用を受けるためには、控除の対象となる特別試験研究費の額及び控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

中小企業者又は農業協同組合等以外の法人が、平成30年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する各事業年度において次の要件のいずれにも該当しない場合(その事業年度の所得金額が前事業年度の所得金額以下である場合を除きます。)には、適用できません。

この記事を書いた人

mtbcpa

東京都文京区の税理士・公認会計士です。
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