消費税のしくみはどうなっているの?

概要

消費税は、特定の物品やサービスに課税する個別消費税とは異なり、消費に広く公平に負担を求める間接税です。

消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付けおよび役務の提供と外国貨物の引取り(輸入取引)となります(注)。

この消費税は、生産および流通のそれぞれの段階で、商品や製品などが販売される都度その販売価格に上乗せされてかかりますが、最終的に税を負担するのは消費者となります。

(注) 電気通信回線(インターネット等)を介して、国内の事業者・消費者に対して行われる電子書籍・広告の配信等のサービスの提供(「電気通信利用役務の提供」といいます。)については、これまで、国内の事務所等から行われるもののみ消費税が課税されていましたが、平成27年10月1日以後、国外から行われるものについても、消費税が課税されることとされました。

この改正に伴い、次のとおり課税方式の見直し等が行われています。

(イ) 国外事業者が行う「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(例:「広告の配信」等)については、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務を課す「リバースチャージ方式」が導入されました。

(ロ) 国外事業者が行う「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外のものについては、登録国外事業者から提供を受けたもののみ、国内事業者の消費税の申告において仕入税額控除が認められることになりました。

上記の見直しのほか、所要の改正が行われています。

税率

消費税の税率は、標準税率7.8パーセント、軽減税率6.24パーセント(注)の複数税率です。

また、消費税のほかに地方消費税が別途消費税額の78分の22(消費税率に換算して標準税率2.2パーセント、軽減税率1.76パーセント相当)課税されます。

これらを合わせた税率は標準税率10パーセント、軽減税率8パーセントとなります。

(注) 令和元年10月1日の消費税率の引上げと同時に、消費税の軽減税率制度が実施されました。

納税義務者

国内取引の納税義務者は個人事業者と法人です。

また、輸入取引の場合の納税義務者は保税地域から外国貨物を引き取る者となります。

中小事業者の特例

小規模事業者の事務負担を軽減するため、

その課税期間に係る基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、原則としてその課税期間の納税義務が、免除されることになっています(注1、2)。

また、中小事業者の事務負担を軽減するため、実際の仕入れに含まれる税額を計算することなく、売上げに対する税額に一定のみなし仕入率を乗じた金額を仕入れに含まれる税額とみなすことのできる簡易課税制度が設けられています(注3)。

(注1) その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※)における課税売上高が1,000万円を超えた場合は、当課税期間から課税事業者となります。

なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。

※ 特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいいます。

(注2) 課税事業者が、高額特定資産または自己建設高額特定資産の仕入れ等を行った場合は、当該高額特定資産等の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から一定の期間について、事業者免税点制度および簡易課税制度の適用が制限されます。

(注3) 簡易課税制度の適用を受けるには、その課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下で、「消費税簡易課税制度選択届出書」適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに納税地の所轄税務署長に提出していることが必要となります。

対象者または対象物

<国内取引>事業者
<輸入取引>保税地域から外国貨物を引き取る者

納付税額の計算

消費税の納付税額は、課税期間ごとに売上げに対する税額から、仕入れに含まれる税額と保税地域からの引取りに係る税額との合計額を差し引いて計算します。

この記事を書いた人

mtbcpa

東京都文京区の税理士・公認会計士です。
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